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東京地方裁判所 平成3年(ワ)9297号 判決 1994年4月11日

甲事件原告・乙事件被告

甲田花子(以下、単に「原告」という。)

右訴訟代理人弁護士

林陽子

戸田綾美

右林陽子訴訟復代理人弁護士

鈴木理子

甲事件被告

セントラル靴株式会社(以下、単に「被告会社」という。)

右代表者代表取締役

乙沢丙夫

甲事件被告・乙事件原告

乙沢乙明

乙沢乙(以下、単に「被告乙沢」といい、被告乙沢と被告会社とを合わせて「被告ら」という。)

右被告ら訴訟代理人弁護士

田中富雄

前川雄司

主文

一  被告会社は、原告に対し、金五万一二〇〇円及びこれに対する平成三年七月二三日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

二  原告の被告会社に対するその余の請求及び被告乙沢に対する請求を棄却する。

三  原告は、被告乙沢に対し、金三〇万円及びこれに対する平成三年七月二五日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

四  被告乙沢のその余の請求を棄却する。

五  訴訟費用中、原告に生じた費用の五〇分の四七、被告会社に生じた費用の一〇〇分の九九及び被告乙沢に生じた費用の二〇分の一九を原告の負担とし、原告に生じた費用の一〇〇分の一及び被告会社に生じたその余の費用を被告会社の負担とし、原告に生じたその余の費用及び被告乙沢に生じたその余の費用を被告乙沢の負担とする。

六  この判決は、第一項及び第三項に限り仮に執行することができる。

事実及び理由

第一請求

一  甲事件(原告)

1  被告らは、各自、原告に対し、金五五〇万円及びこれに対する平成三年七月二三日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

2  被告会社は、原告に対し、金二一万円及びこれに対する平成三年七月二三日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

二  乙事件(被告乙沢)

原告は、被告乙沢に対し、金一〇〇万円及びこれに対する平成三年七月二五日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

第二事案の概要

甲事件は、原告が、被告会社に勤務中、上司の専務取締役被告乙沢から、わいせつ行為、性的嫌がらせを受け、暴言を浴びせられた上、全く身に覚えがないのに、原告に嫌疑がかかる方法で被告会社の現金の盗難被害届を出されたため、多大な精神的苦痛を受けたとして、被告乙沢及び被告会社に対し、それぞれ不法行為責任(民法七〇九条)、使用者責任(同法七一五条)に基づき、慰謝料五〇〇万円及び弁護士費用五〇万円の損害賠償金並びに不法行為後(訴状送達の翌日から)の遅延損害金の連帯支払を求めるとともに、被告会社に対し、平成三年一月分の未払賃金二一万円及び弁済期経過後の遅延損害金の支払を求めた事案である。

乙事件は、被告乙沢が、原告から、平成三年三月一五日付け内容証明郵便により、被告乙沢が平成元年九月と一〇月の二回にわたり原告に対し強姦未遂行為に及び、平成二年以後もなお性的嫌がらせを続けようとし、他の従業員の面前で原告に対し、暴言を浴びせたとして、被告会社と連帯して慰謝料五〇〇万円を支払え、との請求を受けたが、右のような行為はなかったのであるから、名誉と社会的信用を著しく侵害されたとして、その慰謝料一〇〇万円及び不法行為後(訴状送達の翌日から)の遅延損害金の支払を求めた事案である。

一  争いのない事実

1  被告会社は、肩書地に所在する靴の製造、販売等を目的とする株式会社であり、被告乙沢は被告会社の専務取締役である。原告は、昭和三一年生まれの独身女性であり、平成元年八月被告会社に入社して以来、経理担当職員として勤務した。

2  原告は、平成二年一二月二八日、被告会社の従業員の同月分の給料約一七〇〇万円の袋づめを会計事務所の職員とともに行ったが、帰宅後の午後七時ころ、被告乙沢から金銭が足りない旨の電話があり、会社に戻った。被告乙沢は、当日、被害届を出さなかったが、被告会社は、平成三年一月、顧問の柴崎会計事務所から、紛失した金銭について被害届を出すように言われ、その届出をした。

3  原告は、平成三年三月一五日ころ到達した内容証明郵便(同日付け)により、被告会社(代表者乙沢丙夫)に対し、同年一月分の未払賃金二一万円を、被告らに対し、被告乙沢が平成元年九月三〇日(日曜日)と同年一〇月一〇日(祝日)の二回にわたり、強姦未遂行為に及び、平成二年以後もなお性的嫌がらせを続けようとし、他の従業員の面前で原告に対し、暴言を浴びせたとして、連帯して慰謝料五〇〇万円を支払うよう求めた。

二  争点

1(甲事件)未払賃金の有無

(原告の主張)

原告の平成二年当時の給与(月末締め、翌月五日払い)は月額二一万円であったところ、被告会社は、原告に対し、平成三年一月分(同月一日から同月末まで)の給与を支払わなかった。

(被告会社の主張)

被告会社は、原告の希望により、原告の勤務形態を平成三年一月からパート(時給八〇〇円)に切り替えたが、原告は同月については一三日(六四時間)しか勤務しないまま、一方的に出社しなくなったものであり、同月分の給与は五万一二〇〇円である。被告会社は、これを原告に支払うべく用意していたが、原告が取りに来ないままとなっている。

2(甲事件・乙事件)被告乙沢が原告に対してわいせつ行為、性的嫌がらせ、暴言を浴びせる等の行為に及んだかどうか。

(原告の主張)

被告乙沢は、平成元年一〇月一日(日曜日。なお、前記内容証明郵便記載の同年九月三〇日は同年一〇月一日の誤りである。)、原告宅に「経理のことで聞きたいことがあるので、会社に来てほしい。」という電話をかけ、原告はやむなく出勤した。原告は、被告乙沢に命じられるままに現金元帳と売上元帳をつけるなどの作業をしていたところ、被告乙沢は、机に向かって執務中の原告にいきなり後ろから抱きついてはがい締めにし、原告の乳房や局部に強引に触れるなどの強制わいせつ行為に及んだ。被告乙沢は、さらに「ここではできないからホテルに行こう。」と言って暴力で性的関係を強要しようとしたが、原告は抵抗して難を逃れた。

被告乙沢は、同月一〇日(祝日)、再び原告の自宅に電話をし、休日出勤を強要した。原告は、右事件の直後であったので警戒していたが、当日は他の同僚が出勤していることが判明していたので、被告乙沢と二人きりになることはないと思って出勤した。ところが、被告乙沢は、職場にいた男性従業員金森孝友に薬局に買い物に行くよう命じ、原告と二人きりになると、原告の背後から左手を首筋に回し、右手で胸を触り、首筋にキスをした。原告は、この時も「やめてください。」と抗議し、金森も間もなく帰って来るところであったので、被告乙沢は、それ以上の行為には及ばなかった。

被告乙沢は、その後も、勤務時間中に原告の髪を触るなどの性的嫌がらせを続けた。

原告は、平成元年一二月から平成二年一二月までの間、乳癌の手術、療養をした。被告乙沢は、原告の職場復帰の直後である同月下旬、原告に対し、他の数名の従業員の面前で、「乳癌だって、もう片輪じゃないか。」、「触る気がしない。」、「頭の毛がなくなってかつらなんだろう。」などの暴言を浴びせた。さらに、被告乙沢は、原告が乳癌である旨を被告会社の取引先等に話したため、原告は、「大丈夫ですか。」といろいろな人から尋ねられ、精神的な損害を被った。

(被告らの主張)

原告の主張は争う。原告主張の事実を裏付ける証拠は、ほとんど原告本人の供述だけであるが、この供述内容自体が虚偽である。

3(甲事件)被告乙沢が、金銭紛失に関して原告に嫌がらせをし、また、原告に嫌疑がかかるような方法で、警察に被害届を提出したか。

(原告の主張)

被告乙沢は、平成二年一二月二八日、原告宅に電話し、「お金が四万円足りない。」と言ったが、会社内では、「お金が七〇万円足りない。」と言い出し、やがてその額が一〇〇万円から一二〇万円になり、最終的に「一二〇万円が金庫からなくなった。」ということになった。原告には全く身に覚えがないことであり、「警察に届けてはどうか。」と被告乙沢に勧めた。被告乙沢は、金銭が紛失したとされるこの日以降、原告に向かって、「警察に届ければ、(原告が)真先に疑われる。」、「女はすぐには自白しない。」などと度々言い、さらに被告会社内の黒板にこれ見よがしに「浅草警察」と書いて原告に対する嫌がらせをした。被告乙沢が原告に嫌疑がかかるような方法で被害届を出したため、原告は、平成三年一月一二日、浅草警察署から呼び出しを受け、数時間にわたって事情聴取をされ、その際、担当の取り調べ刑事から「乙沢専務は弁償さえすればよいと言っている。あんたしかいないだろう。」と執拗に説得され、大きな精神的苦痛を受けた。

(被告らの主張)

原告の主張は争う。被告会社が出した被害届は、原告を被疑者とするものではない。

4(乙事件)原告の内容証明郵便による請求が不法行為を構成するか。

(原告の主張)

原告の右行為は、正当な権利行使であって、不法行為に該当しない。本件においては、原告は、被告会社の専務取締役である被告乙沢の原告に対するセクシャル・ハラスメントの行為が存在すること及び原告が被告らに対して右行為について損害賠償請求権を有することを通知するために内容証明郵便を発したのである。そして、原告が被告会社に右請求をなすに当たっては、被疑乙沢のなした右行為を摘示することにより、右損害賠償請求権を特定し、その内容を明らかにすることが右請求権の行使として必要不可欠であり、かつ、手段として相当な行為であるから、この行為に違法性がないことは明らかである。また、右損害賠償請求においては、被告乙沢がした右行為を摘示しなければ、債権を明示し、請求の根拠を明らかにすることができないのであるから、原告が右行為を摘示しないことは、本件の状況のもとでは期待可能性がない。さらに、本件のような職場の上司による性的嫌がらせ行為については、被害者を救済するため、その正当な権利行使が阻害されることのないよう、十分に配慮されるべきであり、使用者責任を問うために、使用者に対して内容証明郵便を送付しただけで不法行為を認定されるのであれば、セクシャル・ハラスメント被害の損害賠償はほとんど不可能となる。

本件においては、被告会社宛に内容証明郵便を送付しても、送付先である被告会社にとどまることが明らかであって、事実がそれ以外に流布することは、およそ考えられない。しかも、被告会社には代表取締役乙沢丙夫、取締役乙井甲之、監査役乙沢乙子と加害者である被告乙沢がその役員にいるだけであり、被告会社は極めて小規模の同族会社である。乙井甲之及び乙沢乙子は、名目上の役員であり、被告乙沢の意思に反して右両名その他の人に内容証明郵便の内容が流布されることはほとんど考えられない。したがって、流布される範囲は、事実上、乙沢丙夫と被告乙沢にとどまるのであって、このような極めて限定された範囲の事実の流布によって、名誉毀損の成立を認めるべきではない。

(被告乙沢の主張)

原告摘示の事実が真実であることが証明されない限り、違法性があるというべきである。また、期待可能性についても、原告摘示の事実が真実か否かによって異なるのであって、真実でない場合にまで期待可能性がないとは到底いえない。

名誉毀損による不法行為の成立につき、必ず事実の流布が必要であるとはいえない。しかも、本件では、原告は、内容証明郵便を被告会社にも送付したもので、これにより、被告乙沢の評価を著しく低下させる事項が被告会社の役員全員に伝達された。乙井甲之は被告乙沢の弟であり、乙沢乙子は被告乙沢の兄乙沢丙夫の妻である。両名とも右内容証明郵便の内容を知ったことは当然であり、被告会社は小規模の同族会社であるから、かえって原告の行為の違法性は強いというべきである。被告会社に右内容証明郵便の送付により、被告乙沢の社会的評価は著しく低下し、また、これにより、被告乙沢の名誉感情は著しく傷つけられたものである。

第三争点に対する判断

一  争点1(未払賃金の有無)について

1  証拠(<証拠略>)及び弁論の全趣旨によると、原告は、平成二年一二月二九日ころ、義姉に付き添われて被告会社に赴き、被告会社に対し、欠勤が多いので、原告の勤務形態を平成三年一月以降一般の従業員(当時の原告の基本給は月額二一万円、月末締め・翌月五日払い)としての勤務からパートタイマーに変更してほしいと要請したこと、被告会社は、右要請を受け、これを了承したこと、その際、賃金額については、当事者間で明示的には定められなかったが、原告側からは、被告会社の判断に委ねる旨の発言がなされたこと、当時、被告会社にはパートタイマーが二名おり、その賃金はいずれも時給八〇〇円であったことから、被告会社は、右発言の趣旨に沿い、原告についてもこれと同様の扱いをすることを決めたこと、原告は、平成三年一月には一三日(時間では六四時間)稼働したこと、以上の事実が認められる。

2  右事実によると、原告と被告会社との間において、原告は平成三年一月以降時給八〇〇円のパートタイマーとして被告会社に勤務する旨の合意が成立したものと認められるのであり、その未払賃金は五万一二〇〇円(時給八〇〇円×六四時間)であるといわなければならない。

二  争点2(被告乙沢のわいせつ行為等の有無)について

原告は、本人尋問において、平成元年一〇月一日、同月一〇日の両日に、被告乙沢からわいせつ行為を受けたと供述しているが、原告の供述は、以下の諸点に照らすと、にわかに措信することができないし、ほかに原告の主張する事実を認めるに足りる証拠はない。また、原告主張の性的嫌がらせ、暴言等についても、これを認めるに足りる証拠はない。

1  (証拠略)(原告の被告会社におけるタイムカード。被告乙沢の本人尋問の結果により真正な成立が認められる。なお、原告の氏名の記載が原告の自署によるものであることは争いがない。)によると、原告の被告会社におけるタイムカードには、平成元年一〇月一日(日曜日)、同月一〇日(祝日)に出勤した旨の打刻はなされていないことが認められ、このことからすると、原告が右両日被告会社に出勤したと認めることは困難である。

2  被告乙沢は、本人尋問において、平成元年一〇月一日午後二時ころから午後七時ころまでの間、自宅付近にある亀有ラドン健康センターに妻とともに行ったと供述しており、これを裏付ける同センター発行の同日付け領収証(<証拠略>)と被告会社の会計帳簿(<証拠略>)が存在する。また、被告乙沢の供述によると、当時、被告会社従業員の洲永某、中村某は、休日には必ず被告会社に出勤し、一階で仕事をしていたというのであるから、平成元年一〇月一日についても同様であるとすると、被告乙沢が原告主張のようなわいせつ行為に及べば、一階で執務中の両名に聞こえるはずであり、このような状況の中で、被告乙沢がわいせつ行為をなしたとは考えがたい。

3  証拠(<証拠・人証略>)によると、被告会社の従業員金森孝友、荒品英夫のタイムカードには、平成元年一〇月一〇日、被告会社に出勤した旨の打刻はなく、同人らも同日に出勤した記憶はないこと、しかも、同人らのうち、金森は、当時、株式会社スウェットが経営する会員制スポーツクラブの会員であったところ、右同日には、午前一〇時三〇分から午後四時までの間千葉県市川市で行われた同クラブ主催のスポーツイベントに参加し、さらにその後の午後五時三〇分から午後七時までのアフターパーティにも引き続き参加したこと、以上の事実が認められる。

以上の事実に照らすと、原告は金森が被告会社に出勤すると聞いていたので同日出勤したとの原告の供述、金森、荒品が同日出勤していたとの原告の供述は、いずれも信用することができない。

三  争点3(被害届等の件)について

被告乙沢が、金銭紛失に関して原告に嫌がらせをし、又は、原告に嫌疑がかかるような方法で、警察に被害届を提出したとの主張に副う原告本人の供述は、原告の供述中に右に指摘したような大きな疑問点が存在することや、(人証略)、被告乙沢の本人尋問の結果に照らすと、たやすく採用することはできないし、ほかに右主張事実を認めるに足りる証拠はない。

四  争点4(名誉毀損等の件)について

1  原告は、前記第二の一3の内容を記載した内容証明郵便を被告らに送付したものであるところ、証拠(<証拠略>)によると、その結果、右内容証明郵便に記載された内容は、被告乙沢の兄である被告会社代表者乙沢丙夫の知るところとなったことが認められる(なお、被告乙沢は本人尋問において被告会社の役員、従業員全員のほか被告会社の得意先などにも知れ渡った旨を供述しているが、それは自らが被告会社の従業員に右内容証明郵便を見せたからであって、被告乙沢自身の責任である。他方、乙沢丙夫については、被告会社の代表者であり、右内容証明郵便の名宛人であるから、同人がその内容を知ることになった実際の伝達経路はともかく、知ったこと自体は原告の右書面送付に起因するものといえる。)。

2  右事実によると、被告乙沢は、原告の右内容証明郵便の送付により精神的苦痛を受けたものと推認されるところ、先に説示したとおり、被告乙沢が原告に対し、わいせつ行為等の不法行為をしたとの事実を認定することはできないから、右送付行為は、正当な権利行使とは認められず、違法性を有するというべきである。原告は、事実の流布の範囲が限られていることを問題にしているが、右書面の記載内容にかんがみると、被告乙沢の名誉感情が著しく侵害されたことは明らかであるから、右送付行為が違法であるとの結論に変わりはないというべきである。また、先に説示したところから明らかなように、原告は、自己の主張を裏付ける証拠がはなはだ不十分であるにもかかわらず、右書面を送付したものであるから、原告には少なくとも過失があるといわなければならない。したがって、不法行為が成立するのであり、右行為の態様、内容、右相当因果関係のある流布の範囲その他本件に顕れた諸般の事情を考慮すると、被告乙沢の精神的苦痛に対する慰謝料としては三〇万円が相当である。

五  まとめ

以上の次第で、原告の請求(甲事件)のうち、原告の被告会社に対する賃金五万一二〇〇万円及びこれに対する弁済期を経過した後である平成三年七月二三日から支払済みまで民法所定年五分の割合による遅延損害金の請求は理由があるが、原告の被告会社に対するその余の請求及び被告乙沢に対する請求は理由がない。一方、被告乙沢の請求(乙事件)は、慰謝料三〇万円及びこれに対する不法行為後である平成三年七月二五日から支払済みまで民法所定年五分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるが、その余の請求は理由がない。

(裁判官 小佐田潔)

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